<第7回>
「成績が優秀な人のための勉強法」
これまで色々お伝えしてきましたが、今回のそれは、これまでのとはちょっと様子が違います。それは、これまでの勉強法は、学校の授業を中心に考えた勉強法です。しかし、成績がトップクラスの人は、学校の授業だけを当てにしていたのでは、みすみす伸びる学力の芽をつみ取ってしまいかねません。つまり、成績優秀な人は、学校の授業だけを当てにする勉強から脱却しなければならないのです。
考えてみて下さい。いかに私立の優秀な人材ばかり集めたクラスと言えど、全員が全員優秀な生徒とは言えません。それなりに落ちこぼれも存在します。そして、授業というものは、大抵、そのクラスのおおよそ真ん中くらいの成績の人を対象に行われます。最近は、個に応じた指導といって、コース別指導や習熟度別指導などもあるようですが、それはほんのお飾りで、根本は、明治以来の教授方式の授業が大勢を占めています。そんな中で、成績トップクラスの生徒は、退屈極まりない授業に甘んじています。そして、放課後、自分の力に応じた塾に通ったり、家庭教師を雇ったりして、学力をつけています。しかし、塾や家庭教師はお金がかかります。それなら経済的にゆとりがないところは、トップクラスの成績を維持できないかというと、決してそうではありません。私の中学の同級生に、3年間常に1番で、日本でもっとも有名な大学の一つに合格して、法律関係の仕事をしている人がいますが、この人は、塾に通うでもなく、高価な教材を使うでもなく、ただひたすら、教科書を徹底的に勉強していました。それなら、今までと同じではないかと思われるかもしれませんが、普通の人とは、少しばかり勉強方法が違うのです。彼女は、教科を購入すると、最後まで一通りさーっと目を通します。それこそ一日か二日でです。そして、何度も何度も繰り返し、教科書を勉強していきます。私は彼女が、教科書以外の参考書を使って勉強しているのを見たことがありません。つまり、彼女がやっていた勉強方法は、先行学習と繰り返し学習なのです。そんな彼女ですから、授業中はさもつまらなさそうにしていると思われがちですが、そんなことはなく、予習して疑問に思ったことや、どうしても解けなかった問題などを、しつこいくらい質問していました。当時私は、なんて効率の悪い勉強をするのだろうと、密かに思っていたのですが、いろいろ勉強してきた今になって考えると、もっとも理にかなった、素晴らしい勉強方法を実践していたのだと、今さらながら感心しています。前置きが長くなりましたが、要は、成績がよい人は、先行学習をするべきだということなのです。先行学習とは、単なる予習とは違います。例えば中学生なら、できるだけ早いうちに、自分の学年の内容の最後までを一度通してやってみることです。そして、できれば、2年の終わりまでには、中学3年までの学習内容を一通り学習しておくことを薦めます。学校も、まわりも、あまり先の勉強をするのを好みません。そして、生徒自身も、「まだ、学校で習っていないから。」という言葉を、逃げの手段としてよく使います。しかし、もっとも効率的に学力を身につけるには、先行学習の繰り返し学習が一番です。
先行学習をしている、生徒たちの勉強法を参考に書いてみます。
1 教科書を一通り読む。分かっても分からなくても、一通り最後まで読み通す。
2 教科書ガイドをみたり、指導者に見てもらいながら、教科書を最後までやる。
3 その学年の通年の問題集を、また最初からやる。
この方法では、同じ内容を3回繰り返して勉強することになります。これにプラス、学校での授業を受けますので、合計4回の繰り返し学習になるのです。
英智学院ではこの先取りを小学生中学年から来ていただいている生徒であれば、中2の半ばで中3内容を履修してしまいます。もちろん無理はさせませんし、得意教科のみということもありますが、そのアドバンテージはかなりあります。中2の2学期からは各高校の過去問に取り組んだり高校内容に入ったりその子の状況によって判断しています。
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